「FX(外国為替証拠金取引)に興味があるけど、何歳から始められるの?」「18歳になったばかりだけど口座開設できる?」「高校生でも取引は可能なの?」
投資の一つとして注目されるFXですが、年齢に関する疑問を持つ方は少なくありません。
結論から言うと、2022年の民法改正により、多くの国内FX会社で18歳以上であれば口座開設が可能になりました。
この記事では、FXを始められる年齢について、民法改正の背景から詳しく解説します。18歳以上の方が口座開設する具体的な方法や必要書類、18歳から取引を始めるメリット、そして必ず知っておくべき注意点やリスクまでを網羅的に紹介します。
この記事を読めば、FXの年齢制限に関する疑問が解消し、安全にFX取引をスタートするための準備が整うはずです。
FX取引は多くの会社で「18歳以上」から可能
現在、日本の多くのFX会社では、口座開設が可能な年齢を「18歳以上」としています。以前は「20歳以上」が主流でしたが、大きな転機がありました。
2022年の民法改正(成人年齢引き下げ)が転機
2022年4月1日に施行された改正民法により、成人(成年)年齢が20歳から18歳に引き下げられました。
これに伴い、18歳・19歳の方でも親権者の同意なしに様々な契約(クレジットカードの作成、携帯電話の契約など)ができるようになりました。
金融商品の取引も例外ではなく、多くの国内FX会社がこの法改正に合わせて規約を見直し、口座開設の年齢条件を「18歳以上」に変更しました。
ただし、会社によっては18歳以上であっても、20歳未満の場合は一部の取引(高レバレッジのコースなど)に制限を設けたり、一定の金融資産を条件としたりする場合があります。
国内FX会社と海外FX会社の年齢制限の比較
- 国内FX会社
前述の通り、現在は「18歳以上」を条件とする会社が大多数です。
日本の金融庁の登録を受けており、信託保全(顧客の資金を守る仕組み)が義務付けられているため、安全性が高いのが特徴です。 - 海外FX会社
海外のFXブローカーも、多くが「18歳以上」を口座開設の年齢基準としています。
ただし、日本の金融庁の登録を受けていない会社も多く、トラブルの際に法律による保護を受けられないリスクがあります。初心者の方は、まず国内のFX会社を利用することを強くすすめます。
18歳未満(高校生など)はFX口座を開設できる?
では、「18歳未満」の場合はどうでしょうか。例えば、17歳の高校生がFXを始めたいと時、口座開設は可能なのでしょうか。
原則として18歳未満(未成年者)の口座開設は不可
結論として、18歳未満の未成年者が自分名義でFX口座を開設することは、国内・海外を問わずほとんどのFX会社で不可能です。
これは、FXがレバレッジを伴うハイリスク・ハイリターンな金融商品であり、投資判断能力やリスク許容度が成人に比べて十分でないと見なされるためです。
18歳の高校生はどうなる? FX会社ごとの対応
最も注意が必要なのが、「18歳の高校生」の場合です。
年齢上は「18歳以上」の条件を満たしていても、会社の規定によって「高校生(高専生含む)は不可」としているケースが多く見られます。
18歳になっていても、高校を卒業する(または卒業見込みの)3月31日までは口座開設の審査に通らない可能性が高いため、各FX会社の公式サイトで最新の条件を必ず確認してください。
一部証券会社の「未成年口座」とは
FXとは異なりますが、「株式(現物株)」や「投資信託」の取引では、「未成年口座」という制度があります。
これは0歳からでも口座開設が可能な証券口座で、親権者の同意と管理のもとで投資を行うことができます。
ただし、この未成年口座ではFX取引や信用取引など、ハイリスクな取引は制限されているのが一般的です。
18歳からFXを始める3つのメリット
18歳からFXを始めることには、リスクだけでなく大きなメリットもあります。
若いうちから投資経験と金融知識が身につく
最大のメリットは、早い段階で実際の投資を経験できることです。
ニュースや経済指標が為替(通貨ペア)にどう影響するかを肌で感じることで、生きた金融知識や経済感覚が身につきます。
この経験は、将来の資産形成において大きな財産となります。
少額資金からでも取引を始められる
FXは「少額から取引できる」点が魅力です。
FX会社によっては、1通貨単位(約100円程度の資金)から取引が可能です。
アルバイト代やお小遣いの範囲内で、無理のない少額からスタートできるため、学生の方でも挑戦しやすい投資と言えます。
長期的な資産形成の土台となる
若いうちから投資を始めることで、複利効果(利益が利益を生む効果)を味方につけやすくなります。
18歳からトレードの経験を積み、失敗と改善を繰り返すことで、長期的な視野に立った資産形成の土台を築くことが可能です。
18歳からFXを始める際の注意点(リスク)
メリットがある一方、18歳からFXを始める際には特に注意すべきリスク(注意点)があります。
資金管理の徹底と損失(ロスカット)の可能性
FXは元本が保証された投資ではありません。
相場の急変により、預けた資金(証拠金)以上の損失が発生する可能性もあります
(※国内FXではロスカットルールにより、一定以上の損失を防ぐ仕組みがありますが、絶対ではありません)。
必ず「余裕資金(なくなっても生活に困らないお金)」で行い、取引に使う資金を明確に決めることが必要です。
レバレッジの仕組みを正しく理解する
FXの最大の特徴である「レバレッジ」は、少額の資金で大きな金額の取引を可能にする仕組みです。
国内では最大25倍まで設定できます。
レバレッジは利益を増大させるメリットがある一方、損失も同様に増大させるリスクがあります。
初心者のうちは、レバレッジを低く抑え(例: 1倍〜3倍程度)、リスク管理を最優先するべきです。
学業やアルバイトとの両立を考える
FXは平日ほぼ24時間取引が可能なため、のめり込みすぎると学業や日常生活に支障をきたす恐れがあります。
取引する時間帯を決める、スマートフォンのアプリを頻繁にチェックしすぎないなど、自分なりのルールを決めることが重要です。
FXで月10万円稼ぐにはいくらの資金が必要か
「FXで月10万円稼ぎたい」と考える人もいるかもしれません。
しかし、これを達成するには相応の資金と経験が必要です。
例えば、月10万円の利益を目指すには、レバレッジや取引スタイルにもよりますが、最低でも50万円〜100万円程度の資金は必要となる場合が多く、その資金を失うリスクも伴います。
18歳から始める場合は、まず月数千円〜1万円の利益を安定して出すことを目標に、少額から堅実に経験を積むことをすすめます。
18歳以上の方がFX口座開設する流れと必要書類
18歳以上の方が実際にFX口座を開設する手続きは、非常にシンプルで、多くの場合スマートフォンだけで完結します。
FX会社を選び、申込みフォームに入力
まず、口座開設したいFX会社の公式サイトにアクセスします。
申込みフォームに、氏名、住所、生年月日、投資の経験、年収、保有資産などの情報を正確に入力します。
必要書類(本人確認書類・マイナンバー)の提出
次に、本人確認書類とマイナンバーカード(または通知カード)を提出します。
- 本人確認書類: 運転免許証、パスポート、健康保険証など
- マイナンバー確認書類: マイナンバーカード、通知カード、マイナンバー記載の住民票
最近は、スマートフォンのカメラで本人確認書類と顔写真を撮影する「スマホでかんたん本人確認」を提供している会社が多く、これを利用すれば郵送なしで手続きが完了します。
FX会社による審査
提出された情報と書類に基づき、FX会社が審査を行います。
審査基準は会社によって異なりますが、18歳以上であること、入力情報に虚偽がないこと、一定の資産(アルバイト収入や預貯金で可)があることなどがチェックされます。
口座開設完了・取引開始
審査に通ると、口座開設完了の通知がメールや郵送で届きます。
IDとパスワードを使ってログインし、取引のための資金(証拠金)を入金すれば、取引を始めることができます。
18歳・19歳におすすめのFX会社の選び方
18歳・19歳の方が初めて口座開設するFX会社は、以下のポイントで選ぶことをすすめます。
少額(1通貨)から取引できるか
多くのFX会社は1,000通貨または10,000通貨単位での取引が基本ですが、中には「1通貨」や「100通貨」といった超少額から取引できる会社もあります。
資金が少ないうちは、最小取引単位が小さい会社を選び、リスクを抑えて実際のトレードに慣れるのが賢明です。
デモトレードが充実しているか
デモトレードとは、仮想の資金を使って本番さながらの取引を体験できるサービスです。
実際のお金を失うリスクがないため、取引ツールの使い方を学んだり、自分のトレードルールを試したりするのに最適です。
取引ツールやアプリが使いやすいか
FX取引は、PCのサイトやスマートフォンのアプリで行います。
特に18歳・19歳の方はスマートフォンでの取引がメインになることが予想されます。
公式サイトの情報や口コミを参考に、自分にとって直感的で使いやすいサービスを提供している会社を選びましょう。
FXと他の投資(株式など)の年齢制限の違い
投資にはFX以外にも様々な種類がありますが、年齢制限は異なります。
証券口座(株式投資)は0歳からでも開設可能
前述の通り、株式や投資信託を取引するための証券口座は、「未成年口座」として0歳からでも口座開設が可能です(親権者の同意と管理が必要)。
これは、将来のための資産形成(ジュニアNISAなど)を目的としているためです。
なぜFXは18歳以上が基本なのか?
株式(現物取引)は、最悪でも投資した金額がゼロになるだけです。
一方、FXはレバレッジを利用するため、投資した資金(証拠金)以上の損失が発生する可能性があります。
この高いリスク性から、未成年者の保護の観点、および成人としての契約能力の観点から、「18歳以上」という年齢制限が設けられているのです。
FXの年齢制限に関するよくある質問(Q&A)
まとめ FXは18歳から可能! ただしリスクを理解し少額から始めよう
この記事では、FXを始められる年齢について詳しく解説しました。
- 結論 2022年の民法改正により、多くの国内FX会社で「18歳以上」から口座開設が可能になった。
- 18歳未満(高校生含む) 原則として口座開設は不可。18歳の高校生も会社によっては卒業まで不可の場合がある。
- メリット 若いうちから投資経験と金融知識が身につく。
- 注意点 レバレッジによる高いリスク(損失の可能性)を必ず理解し、資金管理を徹底する必要がある。
- 始め方 少額から取引でき、デモトレードが充実している会社を選び、まずは余裕資金で始めることが重要。
18歳から投資を始めることは、将来の大きな資産となります。
しかし、FXは高いリスクを伴う取引です。
まずはデモトレードや少額取引からスタートし、しっかりと知識と経験を積んでから、本格的なトレードに挑戦するようにしましょう。
FXに興味を持たれた18歳以上の方は、まずデモトレードから体験してみてはいかがでしょうか?